水彩のためのデッサンの描き方

デッサンで決まる水彩画

水彩を描くときはとりあえず見たままを描けと言われがちですが、見たままを描けたら苦労しないですよね。

水分量や描くときのポイント等、水彩画に気を付けるところはたくさんあると思います。

しかし、水彩に入る前のデッサンが水彩の鮮やかな色を汚しているかもしれません。

水彩を使って色を塗る前に気を付けることで、絵を素敵に変えましょう!

▶水彩前のデッサン準備

今回使用するのはSIRIUSの紙と、鉛筆3本(2B・F・2H)、練り消しとティッシュです。

鉛筆は何を使用してもいいのですが、今回は主に2Bを使い、Fと2Hは影や細かい部分を描くのに使用します。

3本くらいが分かりやすいと思ったのでそうしましたが、5本を使い分けて描けるとよりよいと思います。

使用している鉛筆はそれぞれ別の鉛筆でも代用可能です。
2B(アタリと輪郭)→3B or 4B
F(輪郭と影)→H or B
2H(ほとんど影のみ)→3H

また、2Hだけステットラーを使用していますが、この後の作業においての私の好みです。気にせずユニを使用していただいてかまいません。

挙げた鉛筆は描きやすさを考えていますが、自分好みの鉛筆を使って楽しく描いていただけるのが一番です!

▶着彩用のデッサン手順

着彩と普通のデッサンではやり方が全く違います。

考えながら描いていきましょう。

今回はこちらのモチーフで着彩のためのデッサンをしていきます。

大まかな形、位置を決める

画面全体に収まるように少しアタリを取りつつ描いてみましょう。
この時は2Bを使用しています。

2Bを使う理由は主に二つあります。

  • H系を使っていると、画面を傷つけて跡がついてしまう
  • 後に形が狂っていた場合描き直すことが難しくなる

必ずやわらかいB系の鉛筆を最初に使いましょう。


この時のポイントは、接地面だけは位置を変えないようできる限り正確に形をとることです。

アタリといえども今後書き進める大切な印です。

あまりにも雑に形をとるのはよくありません。

石膏デッサンを経験したことのある人はご存知だと思いますが、石膏デッサンでは頭と体の切れる位置をほとんど動かないようにアタリを描きます。

静物画の場合、接地面を動かさないのです。

もちろん間違っていたと気付いたら変えます。

しかし、大きな変更がないように最初に注意して描きましょう。

▷人工物に補助線を引く

人工物は左右対称であり、形の歪みがすぐにわかってしまいます

塗りよりも形を上手に取れる方が大切です。

形をとるために、位置が決まったら補助線を引くことをおすすめします。

補助線は中央と、ふちの部分、それから地面に設置している部分などに引くのが定番です。

しかし、絵のように複雑な形の花瓶などでは自分が形を取りやすいように線を追加で引くようにしましょう。

絵を描くのに定規を使ってはいけない。という教え方をする人もいますが、別に何を使ってもいいと思います。

最終的に評価されるのは絵だけのことが多く、過程までも評価する人は少ないです。

さらに、定規を使ったかどうかなんて見てませんし、意識することはほとんどありませんよね。

絵が美しいかを見ているのです。

より絵を美しく描くために定規が必要とあらば定規を使って美しい絵を描きませんか。


補助線を引いたらそのまま花瓶は描きこんでしまいましょう。輪郭は光が当たっている方をFの鉛筆を使い、影側を2Bの鉛筆を使いました。

濃く見える部分に2Bを使っていく感覚です。

映り込みも少し描きこんでおくと、色塗りの時に楽です。

▷最初に花を描く

絵を描くときに鮮やかさを追加するために花をいれることがあると思います。

花は次の日になると枯れてしまったり、花びらの丸まり方が変化したり、時間がたつにつれて形の変化が激しいです。

一番初めに形を決めてしまわないと、2時間程度で変化してしまう花もあります。
今回は枯れにくいひまわりを使用していますが、やはり時間が経つと枯れてきてしまいます。

花の元気がなくなる前に描くために、最初に描きこみましょう。

初心者の方や、時間をかけて描きたい人には写真を撮るか、枯れにくい花を描く、植木鉢ごと花を描く等の工夫も大切です。

リンゴと比べたときの大きさや、全体の花びらのシルエットを大切に鉛筆をねかせてさらさらと描きます。

この段階で色を塗るのはおすすめしません。
鉛筆の粒子が浮いたままの状態だからです。

粒子が浮いているのは、水彩で色が汚れてしまう最大の要因になります。

イメージとしては、

このように、鉛筆の粒子が紙に定着していないために、水彩の色が汚れてしまいます。

鉛筆の粒子を定着させるためには、鉛筆を立てて描いたり、H系の鉛筆を使うようにします。

5Bなど、濃くなるほど水彩で色を塗るとき汚れやすくなります。同じ2Bでを使っていても鉛筆の使い方で汚れやすくなったり汚れなかったりします。

汚れない描き方を覚えていきましょう。

2Bと共にFも使用して鉛筆の粒子を定着させながら描きこんでいきます。
花びらを描くときは手前から描いていくのがおすすめです。

ひまわりは枯れにくいので大丈夫ですが、他の枯れやすい花だと描いている間にシルエットが変わってきます。

後ろのほうから描くと、手前の形が変わってしまったとき後ろの花びらも書き直さなくてはならなくなります。

できる限り手前から描きましょう。

もちろん、描きやすい手順があるのであれば、自分の描きやすい手順で描いていく方がいいです。

ひまわりの色は黄色なので、鉛筆の線画太くなりすぎないように注意したり、花瓶のように影を描きこまないようにしましょう。

黄色は絵具の中でも特に下の色が大きく作用します。

上の図のイメージで、明るい色は鉛筆の黒さが透けて見えやすいです。

鉛筆の黒さが汚れにもなるので、レモンなどの黄色いものを描くときも注意して書き進めましょう。

 

ひまわりの中の部分も観察して描きます。

この絵の場合、中は影になるのでそこまで真面目に描かなくて大丈夫です。

水彩画の際に描きこむべきは光の当たっている面、最も目立たせたい手前にあるものです。

大きく分けて二つの構造が見えたので、描き方を変えつつ描きこみます。

こんな感じで花は終わりです。

 

▷輪郭と影の印を描く

りんごや折り紙、石に書き込みがされていませんね。

・りんごは、輪郭と、影が入る位置に印をつける。

・折り紙輪郭の丸まりや直線に気を付けて描く。

・小石は水彩で細かい模様を描くのが非常に難しいので、鉛筆だけの描きこみでほとんどわかるように描きます。
花やリンゴなどの水気を含んだものは水彩で描くのが簡単です。つるっとしている質感をぬれた絵具で描くのは簡単だからです。

しかし、乾いた質感のものを水彩で描いていくのは時間がかかる上に技量が必要です。

なので、小石は影や模様などを描きこみ、絵具を1色や2色のせるだけで立体的に見えるようにきましょう。

試験などで時間が限られているときには絵具の時間をふやしたいところですが、乾燥した物は必ず描きこむようにしましょう。
麦わら帽子や貝類なども乾燥しているのでデッサンの段階で描きこんだ方がいいです。

▷影はH系の鉛筆で横にタッチを入れる

影を描くのが苦手という人も多いと思います。
影は見えにくかったり、いくつもあったりよくわからないですよね。

水彩の色塗りで一発で影の色を作るというのも難しいです。

水彩のためのデッサンでは、影はほとんど完成させて色塗りをしましょう。

影は必ずH系を使います。

描くときに3つのポイントがあります

  1. ものが机に近いほど影は濃く
  2. 遠くなるほど影を薄く
  3. 横に鉛筆を動かす

2が案外難しいです。わかっていてもなかなかうまくかけません。

練習あるのみです!

▶重要ポイントまとめ

  • 2Bの鉛筆でアタリを描く
  • 接地面は動かさない
  • 位置が決定したら人工物には補助線を描く
  • 花は形や色が変わりやすいからなるべく早く描く
  • 明るい色のものは鉛筆の粒子が浮かないようにFの鉛筆を使う
  • 乾燥しているものはしっかりとデッサンをする
  • 影はH系の鉛筆を使って横にタッチを入れる

水彩用のデッサンは次に色塗りすることを常に考え、色塗りの時に楽になるようにはどうしたらいいかを自分なりに試行錯誤することが大切です。

次は色塗りになります。

色塗りの記事も書きますので読んでいただけると嬉しいです。

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